《聖木の礼拝と、ソロモンとシェバの女王の会見》ピエロ・デッラ・フランチェスカ

《聖木の礼拝と、ソロモンとシェバの女王の会見》ピエロ・デッラ・フランチェスカ
Adorazione del Sacro Legno e incontro tra Salomone e la Regina di Saba, Piero della Francesca, 1452-1458, affresco, 336×747cm, Basilica di San Francesco, Arezzo

1 シェバの女王は主の御名によるソロモンの名声を聞き、難問をもって彼を試そうとしてやって来た。 2 彼女は極めて大勢の随員を伴い、香料、非常に多くの金、宝石をらくだに積んでエルサレムに来た。ソロモンのところに来ると、彼女はあらかじめ考えておいたすべての質問を浴びせたが、 3 ソロモンはそのすべてに解答を与えた。王に分からない事、答えられない事は何一つなかった。 4 シェバの女王は、ソロモンの知恵と彼の建てた宮殿を目の当たりにし、 5 また食卓の料理、居並ぶ彼の家臣、丁重にもてなす給仕たちとその装い、献酌官、それに王が主の神殿でささげる焼き尽くす献げ物を見て、息も止まるような思いであった。
(列王記上10:1〜5)

ダヴィデ王の跡を継いだソロモンは優れた人物で、イスラエルをかつてない繁栄へと導きました。さらに巨額を投じて立派な宮廷を建設したことで、その名声はさらに広まります。その評判を聞きつけたエジプトのシバの女王が、偉大な王にひと目会いたいとたくさんの贈り物を携えて来訪。謁見の際女王は、ソロモンの知恵を試すために多くの難問を投げかけますが、賢いソロモンはその問いのすべてにすらすらと答えてみせました。素直に王とその国の素晴らしさに感激した女王は、惜しみなく贈り物を捧げ、ソロモンもその返礼に多くの贈り物をしました。

この壁画は、中世から伝わる『黄金伝説』に基づく『聖十字架伝説』の主題の一部です。アダムとエバの原罪をもたらした善悪の知恵の木から大樹が育ち、シバの女王によってソロモン王にもたらされ、いったんは地中に埋められますが、後にはキリストの十字架の木として用いられるというものです。
この絵の左側は、従者とともに王宮の玄関までたどり着いた女王が、大木の前で挨拶している姿です。右側は女王が低い姿勢でソロモン王に謁見しているところです。
なお、このシバの女王がソロモン王のところにやってきたことは、新約聖書における幼子イエス・キリストのところにやってきた「三博士の礼拝」の予型であるともいわれています。